管理人の独り言
le monologue
桜
東京は桜が満開になりました。
ギャラリーの帰りに近所の馬橋公園によってみました。ここはこじんまりとしたよい公園、あいにくの曇天でしたが、桜は満開。徒然草に「花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは」(桜は盛りに、月は曇りのないときにだけみるものだろうか)とありますが、盛りにみるにこしたことはない、「絶景かな、絶景かな」満開の桜は心が華やぎますね。
桜といえば、古来からたくさんの和歌がよまれています。ちょっと思いつくものをあげるだけでも、
ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ (紀友則)
世の中に たえて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし (在原業平)
願わくば 花のもとにて春死なむ その如月の望月のころ (西行法師)
といろいろでてきます。
これらに共通するのは、桜が美しくて感動するというよりは、どこか物哀しさが先にたちます。あぁ桜ってそういう花だよなぁ。咲き出すとあっという間に満開になり、そしてあまり日がたたないうちに散ってしまう。
そういえば、桜は散る、梅はこぼれる、椿は落ちる、牡丹はくずれるというらしいです。散り際の美学は桜だけがもつものなのかもしれません。
こんな豊かな言葉をもつ、日本語は素敵だなと思います。
今週の展示は、「POP's Exhibition」、「POP」をテーマにした美大生の4人展。それぞれのPOPのとらえ方が面白く、皆の発想の豊かさを感じます。9日までです。是非お越しください。